黒井の備忘録

黒井のための備忘録。ファッション・コスメ・香水・料理・ぬいぐるみなど。

ペンハリガン ポートレートコレクション レビュー(2024/2/23更新)

こんにちは、黒井です。
ペンハリガンのポートレートコレクションについて!
こちらのシリーズなんですが、ペンハリガンのレグジュアリーシリーズでして、
コンセプトは「イギリスの上流階級」を舞台にした物語だそうな。
黒井はそんなに上流階級の世界については詳しくないので、ほぼテレビや文献、アニメでのイメージしかない。
そういえば最近でしたらエリザベス女王の葬儀は本当に豪華でしたね。
英国民でない自分でさえも、あの荘厳な音楽と一糸乱れぬ兵士たちの隊列の中でエリザベス女王の棺が運ばれていくのをみたら涙腺が。。
本当に偉大な方だったんだなあ…と。
あのレベルともなれば、上流階級どころではないのですが、
やはり黒井のイメージでは王室が出てきます。

でもこのポートレートコレクションは、物語、しかもかーなーリードラマチックです。
嘘、すれ違い、裏切り…とビターな内容らしいですね。

香りひとつひとつに人物がいて、その登場人物の性格やお互いの関係性なんかも設定されています。
香りを楽しみながら考えるだけでとっても楽しい!
でも廃盤になったものが本当に多く…
ストーリーは完全にはわからないでしょうが、仕方ありませんね。


試したものから順次レビュー。

目次

ジ イニミタブル ウィリアム ペンハリガン

このストーリー始まりの人、ペンハリガン氏(本人 )です。
ペンハリガン氏は貴族のために初めてコロンを作った人で、ジョージ卿の家に訪れた際にあまりの人間関係の複雑さにインスピレーションを受けて、それに合う香水作りをしているそうな。

香りはものっそい紳士的な香り。
ベチバー、シダーウッド、ほんのりジャスミン
構成からみてもよくあるノートなんですが、
ベースにペンハリガンの清潔さがあるのが大きなポイントで個性なのかな。
土のようなえぐみもあり重めで、
どことなく神秘的。

ザ トラジェディ オブ ロード ジョージ オードパルファム

ジョージ卿です。
この方はいかにもな英国紳士で、抱擁感のあり友好的で信頼のおける人物。
結婚生活を幸せに維持するためには自分の考えを悟らせないようにすること、だそうです。
やはりイギリスでもカカア天下なんですね…?

ブランデーとのことですが、
そこまで重さや甘さもなく、ドライな感じ。
メンズの中ではトーンそこそこ高めなのもポイント。
どちらかというとソープぽくて、なんな理容室の前通りかかったときの匂いに似てます。

ザ リベンジ オブ レディ ブランシュ

ジョージ卿の奥様、ブランシュ夫人はとても魅力的な女性。
時には罪を犯すことを恐れない、社交的で危険な人なんだそうな。
名前に「復讐」とあるので、何かあるんでしょうか。
キーワードは「ヒョウ」だそうな。

香りは意外にも瑞々しいフラワー系。
オリス、スイセン、ヒヤシンスと高貴な花と女性らしい花のMIXで、マダムにも似合うけど全然古臭くない、そんな香りです。
特にヒヤシンスはよく整髪料やシャンプーで人気な香りなので好きな方が多いとは思いますが、
もちろんただのシャンプーじゃなく、根底に怪しさや不穏さがちらりしてます。試せば試すほど年齢不詳感があります。

ザ コヴェテッド デュシェス ローズ

2人の娘であるローズ夫人。
可愛らしく控えめな印象の彼女は、どうやら浮気されてるか知れず、劇場通いの夫に退屈しているようです。
昔の劇場って、クラブのことですかね。
こちらは前にレビューしてました。
xxxqueenxxx.hatenablog.com
薔薇の香水まとめページです。
そこから引用↓
エリザべサンローズに似ていますが(薔薇の香料が一緒?)ですが、こちらはスモーキーで深く重い香り。香りだちはまろやかでゆっくり拡散する感じ。かっちりしたファッションに合わせたいです。


マッチ アド アバウト ザ デューク

ローズ夫人の旦那様、ネルソン公爵です。
劇場通いが趣味の彼は、そのおかげかうっとりするような魅力を持っています。現代的にいうとプレイボーイなのかな?
趣味が曖昧で謎めいた感じだそうで、
いわゆる、ふらふらしているというか、チャラチャラしている感じなのかも。劇場って今でいうクラブのことなのかな。そりゃ夫人はいい気しないですよねー。

ローズの鮮烈な豪奢な花の香りに、ジンのボタニカルなハーブがあいまって、
華やかでありつつもかっこよさもある。
チャラいとは確かにそうなのですが、
このナチュラルさが好きかも。
一つ上のローズ夫人のメンズ版ぽくて、カップル香水としても組み合わせが良いですね。

ランデスティン クララ

ジョージ卿の愛人、クララです。
ちょっと待って、素敵な英国紳士だって紹介されていたジョージ卿に愛人ですって?
ブランシュ夫人の復讐相手はこの女なんでしょうか。
クララは車を運転したりタバコを吸ったり、昔の女性としては不適切なのですが、とってもセクシーで華やかで、そのギャップが魅力的な一般女性だそうです。
紳士なジョージ卿はメロメロみたい。そうだよね…
香りはラムやバニラの甘い蠱惑的でセクシーな印象なんですが、奥底にはタバコのようなスモーキーな香りがして、それがまたギャップとしていいですね。
ただ可愛いだけじゃない感じで、ちょっとダーティなパチョリの香りもします。

チェンジング コンスタンス

ブランシュ夫人の妹、コンスタンスは先鋭的な伝統をかなぐり捨てるタイプの強気な女性。
でも男性たちは彼女に一目おき、子どもたちにも好かれる不思議な人で、いつかはパンツスタイルもばっちし決めそうな感じらしい。
昔の価値観だと相当珍しいかも。

香りも型破りですね…というか初めての香りすぎてバグる笑
なんの匂い…?塩キャラメルとタバコの組み合わせらしい、どういうこと?なんでしょうか。
塩キャラメルの香りする、けど、なんというか、ダンディな男性が住んでいるお家で食べる塩キャラメルってこんな感じなんだろうなー、みたいな。
タバコの香りがほぼ環境臭みたいに馴染んでいて、違和感は無いですね。
ちなみにこのキャラメルは、とっても海外のお菓子の匂いです。それもバグる原因かも。

ザ ブレイジング ミスター サム

アメリカ人のサムです。いきなり?笑
でもやはり英国と米国は切り離せないですね。
自由気ままでフォードの車に乗りながら「元気?」と声をかけてくる、ちょっと能天気そうな男性。親密で友達も多そうですね。
HPのイラストを見ると、白い葉を輝かせながら親指を立てている男性…やっぱりちょっとバカにしてない?笑
どうやらローズ夫人のいい感じになるようです。大丈夫ですかね??

香りは結構、低音なスパイシー!この重い深い香りはクミンなんだと思う。さらにウッディノートが鬱蒼とあって、爽やかさは無いなあ。ちょっと野生的なのでアグレッシブさもあり、がつんとした主張もあって、骨太な印象。

ジ アンジェヌー カズン フローラ

ローズ公爵夫人のいとこ、フローラは天使のような微笑みをもつ愛らしい女性ですが、実はとんでもない嘘つき。いつも兄弟であるマシューにその罪をなすりつける、ちゃっかりとした人です。要領がいい人というか、ただの悪魔なのか…。
香りはフレッシュなシトラスと瑞々しいフローラルの香り。フェミニンよりも軽く、ピュアな感じです。
でももちろんフレッシュ!ピュア!で終わるわけがなく、ラストのウッディがビターで大人っぽい。少女の皮をベールのように被った感じです。


ジ インピュデント カズン マシュー

ローズ公爵夫人のいとこで、フローラの双子の兄弟マシューは、
周りの評価としてはイタズラがすぎる困った子なんですが実はそうじゃない。
ほぼ全てのイタズラはフローラがやっていることなのですが、そんなことを周りが信じてくれるわけでなく、じっと耐えてます。
叱られたことを忘れるように遠い景色をぼーと眺めるおおらかな人です。
香りは最初はガツンとフレッシュでやんちゃ。マンダリンやオレンジのジュースのような濃い感じですが、ラストはとても静かで神聖なパチュリの香りがサラーと流れていく、なんか不思議な感じ。


ハートレス ヘレン

ヘレンは自信家で男性を魅了する、まさに魔性の女。
相手を負かすことに熱中していて、勝つためには作り話も厭わない怖い女ですね。このシリーズの女性、ドロドロした人しかいないん…?
テディという男性に出会うのですが、ほぼお遊びのように弄んでいるようです。
香りはチュベローズのセクシーで甘い香り。
…結構こちらはチュベローズそのままって感じ。
でもホワイトフローラルより、蜜のような甘さが勝っています。ああ、これが魔性の香りなんだね…

ザ ワールド アコーディング トゥー アーサー

ジョージ卿の兄、アーサー。
知恵と機知を備えた紳士とのことですが、
烈火のごとく激高するそうな。
一族の長男としての重圧から抜けだし、キャリアを捨て東洋に飛び立つ。
まさに龍のようなイメージなんですかね。

東洋なのでウードなのは想像できるのですが、
思ったより砂糖のような西洋の甘さがあるのが面白いですね。
ウードはスパイス程度、メインはトンカビーンやバニラ、フランキンセンスです。
なんかよくあるノートでそこまで意外性のある香りではないかと。

テリブル テディ

テディという男性はハンターのごとく女性をおとすことができる、モテる奴なんですが、最初は魔性の女ヘレンを狙ってました。
のらりくらりと逃げるヘレンに弄ばれているうちに、突然好きな人ができます。
なんと相手はネルソン公爵でまさかの男という。
どちらにしてもチャラチャラした人に惹かれるみたいですね。

肝心の香りは滑らかな上質なレザーのような香り。
レザーのパウダリーな感じはなく、
高級な服屋の匂い。
拡散してアピールするような匂いじゃなくて、
近づいてみて初めて「あら、香水なのね」、と気づくような色気のあるイメージです。
この近さはムスクなんでしょうか。

オムニシエント ミスター トンプソン

一族の執事、トンプソン。
執事としてなんでもそつなくこなしつつ、
家政婦は見たよろしく家のことや人間関係はすべて把握しています。
タブーは踏まないし立ち回りも上手。
もし事件がおきたら彼が名探偵として謎を解決しそうだよね。

香りは意外に重め。
オークウッドの少しスモーキーな木の香りに、スパイスとしてゼラニウム精油ちっくなローズ調の香り。
でもオークウッドの重さが強くで、
まさにボトルの象はぴったりです。
遠くにバニラがあってこれが私は苦手です。