黒井の備忘録

黒井のための備忘録。ファッション・コスメ・香水・料理・ぬいぐるみなど。

バイレード レビュー(2024/4/7更新)

バイレードをレビュー!
ネットを賑わすくらいに人気なバイレードの香水ですが、
なんとなく試す機会が少なかったので、
一気にレビューです。

バイレードはスウェーデン人のベン・ゴーラム氏が作ったブランド。
元々は美術家だったらしいのですが、とある調香師との出会いからフレグランスの道に進むことになったらしい。
お写真を拝見したのですが、なかなかアウトローな人ですね。

ボトルデザインとかブランドの成り立ちを見ると、
モードな香りが多いのかな?
黒井はナチュラル系の香りが好きなので、苦手な香りが多いかもしれませんね?



目次

インフロレッセンス

鈴蘭の香りとのこと。鈴蘭自体に香りは薄いので、香水だと「イメージ」になります。清楚で柔らかい女性的な香りが多いですし、ブランドの方向性も良くわかります。
バイレードの鈴蘭は、言ってしまえば、芳香剤や柔軟剤であるような香りで、癖がなく使いやすそうだと思いました。でも奥の方にピリリとグリーンが強くあって、そこが香水らしいかな。

モハーヴェゴースト

最初はスミレのフローラルな香りで「わあ綺麗…」とか思っていたら、だんだんとアンバーやシダーが迫ってきて、
最終的には着物箪笥の奥底みたいな濃い香りに着地しました。
ちょっと濃いかも…エキゾチックでセクシーともとれるかも?

アコードウード

ラム、レザー、ウードとハードボイルドなノート。
重いのかな…と警戒していたのですが、重いは重い。だけど意外にも清涼感があって爽やかかも。この清涼感がミントやムヒのような薬ぽさもある気がする。

1996

これは…すごく強い香りですね…!
すんごく甘い、けど薬ぽい、線香ぽい、濃い…
でも個人的には日本人によく似合う香りなのではと思います。
薬草も線香も馴染み深いもので、未知の香りではないので受け入れやすいかも。でも絶対に湿度が高い時はNG。重すぎる

スーパーシダー

シダーは苦手な香料の上位に入るのですが、こちらは大丈夫だった!
というのも、トップにローズが入ってるからかもしれないです。
ローズは1番好き。ローズの瑞々しい香りが表面にあって、それをシダーが支えている感じ。どことなく石鹸のような清潔さもある。
ラストにいくにつれシダーが強くなりますが、それでもローズを感じるので好きです。深く吸い込むと鉛筆削りのような香りはします。

パルプ

名前からして「紙」の香りなのかなーと思って試したら、ガツンと甘くてびっくり。よく説明文を見たら、パルプは「果肉」ということだそうで。
トロピカルでフルーティな香りでとってもハッピーなイメージ。
でもベタベタに甘い感じではないので、そこが大人っぽい。深く吸い込むとパイナップルのジューシーな香りが強いのかな。
美味しそう…これは飲めますね

ウード イモーテル

レモンの酸味に、ウードのお香のような甘さ。これは好みが分かれると思いますが、男性向けな気がします。
黒井の苦手なスモーキーさがあり、タバコですね…
若い人がつけたらチャラそう、年配の方がつけたらフレッシュそう、と年代によってイメージが変わるかも。洗練された服装の方が合いそうです。

パレルモ

爽やかな柑橘の香りに、シルキーでしっとりとしたムスクの香り。
これは肌にのせてみないと分からないかと。
最後らへん、柑橘が抜けた後ですが、どことなく柚子胡椒に似てる気が…


エム/エムインク

うう…癖が強いですね…
インクをイメージした香りらしいのですが、まさにです。
こぼしたんですか?ってくらいの強い匂い。
インクの種類は、昔のインクって感じ。
学校とかで、安いザラザラした紙に印字されてるやつ。
深く吸い込むと頭痛がしてくるので、化学香料が強いんですかね。

スローダンス

濃い!甘い!な、なんかパリピな香り。
スローダンス?私の想像するスローダンスはもっとトレンディなんだが…
甘いのはバニラだそうで。
このバニラは少しアンティークぽいスモーキーさがありますね。他、パチュリやラブダナム(!)も入っているようですが、いつも感じるような神秘的な落ち着いた印象は感じられず。ちょっと私には強い香りでした。

ローズノアール

「ノアール」がつく香りは大体濃いイメージ、を少し裏切るくらいには明るい香りでした。
黒井の好きなローズ。
そしてモスとパチュリ。パチュリは物にっては墨の匂い全開で好きではないのですが、こちらはモスが強いのかな。
HPには、獣のような質感とありましたが、それはちょっとわからない笑
でも、そっと神秘的ですが汚れていて、まさに退廃的。でも汚すぎないのでクラシカルかファッションの方が合いそうです。

バルダフリック

とてもアパレルの香り!
ということは、モードで洗練された香りってことですね。なんとなくパルプ味も感じる、人工物の香りだと思いました。
これはバイレードの代表的なフレグランスですよね。
ノートを見ると、シクラメンとバイオレット。
ベースはシダーとベチバーでした。
それを踏まえてももう一度試してみると、バイオレットが一番強いのかな?でも全体的に調和していて完成された感じがします。
人を選ばなさそうな香りなので、つけた人をお洒落にしてくれると思う。

タバコ マンダリン

ぐっと咽せるようなスモーキーさ。これは…タバコはやっぱり苦手だわ…
でもこちらの新しい!と思った点は、マンダリンのフレッシュで柑橘な香りが残ること!これはすごい。
実際にはマンダリンの香りじゃなくて、マンダリンを引き継いだウードだと思います。あの酸味のある香り濃い香木の香りって、マンダリンにすごく合うのですね、知らなかった…
サンダルウッドも入っているせいか、タバコという現代的で俗っぽい香りが、なんかすごく謎めいて感じます。奥ゆきがあるって感じ?

カサブランカ リリー

カサブランカにリリーとは、さぞかし濃厚な ホワイトフローラル系なんだろうな、と思ったら、すごく瑞々しくて軽やかでフレッシュな香りでびっくり。
ノート見たら、主なホワイトフローラル成分はチュベローズくらいだったのでまた驚いた。つまりバイレードのリリーのイメージだってことだね。
別のブランドだと、リリーオブザバレーの香りで売り出してそう。
ラストのハニーアコードが結構なハニーよ。D国のハニーハントを少し彷彿させました。

ヴァニーユ アンティー

バニラ香水!シンプルなテーマだからこそ、ブランドの方向性がわかるので面白いですよね。
ここまでバイレードを試してきた中では、
退廃的だったり、フレッシュだったりな印象が多かったので、
さっぱり形のバニラなのでは?と思っていたのですが、まさにでした。
他のバニラ香水と違うとことは、ベースのハーブ?ぽい、キシリトールぽい、清涼感がある香りがすること。
調べたらシスタスオイル出そうで、なんじゃそりゃ、と思ったら別名はラブダナムですって。それは聞いたことある。けど、こんな香りだっけ…?とりあえずハーブぽい清涼感があります…

セリエ

レザーの香りですが、そこまでスモーキーではなく、あっさりとしています。でもなんでしょう、一枚板の高級バーに、この香りを纏った人がいて欲しい。しかも超絶スマートなメンズにつけていてほしい。そこまで考えて、いや、女性がつけたらマニッシュな感じになってかっこいいな…と思いました。
やりすぎてない、濃すぎない、でも半端なくかっこいい、大人な香りです。個人的にはオークモスがいい味だと思う。ただモスが好きなだけかもしれんが。

リル フルール

意外にも薔薇香水でした。ローズノワールと違って、こちらは薔薇の綺麗なところを抽出したような香りです。
でも最後のいくについれ、ドライでウッドなほろ苦い感じを残して終了。なんか哀愁漂う、雰囲気のある香り。

イレヴンスアワー

試してみて、ソースみたいな匂いだな、と思いました。
ソースの匂いといえば、ラルチザンのメシャンルーがそうでしたが、特に共通ノートはないぽいですね。でもソースぽいんだよなあ…
共通といえば、ウッディノートに甘さと酸味が加わると、ソースの匂いに感じるみたいです。
今回はカシミアウッドとトンカビーンやラム、酸味は…キャロットシード?うーん…わからない。

ブラックサフラン

ダークなバイオレットな香り、どことなく和を感じます。
深く吸い込むとラズベリーの甘酸っぱい香りがあって、
でも可愛く・フェミニンになりすぎないように抑えているウッドとベチバーの乾いた香りもして、
でも全体的にとても調和していますね。
これもとてもお洒落な香りで、つける人を選ばなさそうです。

ブランシュ

清潔感・洗練・純真という言葉を体現した香り。
いや本当に。
ピオニーとバイオレットというちょっとパウダリックでみずみずしい花の香りに、
優しい石鹸のような柔らかいムスクの香りが包み込み、透明感のあるピュアな香りです。
一番のポイントは柔軟剤ぽくないところです。

ミックスト エモーションズ

ねちっとした樹脂の香りと古紙の香り。
カクテルとか夜が似合いそう。
でも樹脂の香りはするのですが全く鼻に残らず、残るのはマテ茶でさっぱりと気持ちがいい香りです。

ジプシーウォーター

ブランシェにちょっと似ている、洗練された香りなのですが、こちらの方が温度を感じられます。
アイリスのお花の香りに、合わせられているのはアンばーとサンダルウッド。清潔で洗練されていますが、アンバーが少しねちっとしていてこれが温度を感じさせるのかと。

ビブリオテーク

図書館をイメージした香りということで、
メゾンマルジェラと比較しました。
xxxqueenxxx.hatenablog.com

ヤングローズ

ヤングとつくとおり、若者の前向きさをイメージした香りらしい。
フレッシュで猪突猛進なイメージかな。
香りは、ダマスクローズにフルーティな赤ワインのような酸味がある。
でもきりっとちょい喉の奥に感じる苦めな匂いがアクセントで締めていて、
ノーブルよりもカジュアル。
ふくよかや豪奢なバラのイメージではなく日常の延長だけどちょっとした華やかさ。
ちょっと豪華なレストランにディナーにきました、みたいな。

デ ロス サントス

人生を称える香りだそうで。
なんか初めて感知する匂いでした。
湿度あり、土ぽさあり、ハーブぽさもあり、オーガニックコスメショップのような謎の植物のような香りもあり。
なんだろう?
ノートをみると、シスタスの土の香りってやつなのかな?
調べるとシスタスはラブダナムの別名らしいのです。
ラブダナムはわかるけど、それの土の匂いはこんなに別物なの?
ちなみにほんのりとお香のような匂いもします。
とにかくリラックス効果の高そうな匂いなのですが、
好き嫌いははっきりでると思います。

ムンバイ ノイズ

ウッド、アンバー、ラブダナムと、わかりやすい匂いで
組み合わせ的に特に意外性もないんですよね。
とても洋風にしたウードとも表現できるかも。
チェンバーの街角にあるコーヒーカートやサウンドを表現しているらしく、
賑やかだけど穏やかな日常の匂いなんですかね。

アイズ クローズド

ナッツやスパイスがたくさんはいった甘さ控えめのキャロットケーキのような香り。
ラストにいくにつれパチュリの神秘的でアーシーな香りが、
また大人ぽくて落ち着きます。
スパイス好きにはたまらん匂いかも。
チャイぽさを求めると違うと思います。
シナモンは入っておらず、カルダモンやジンジャーが強い。



以上。

ということで色々とレビューしてみました。

試してみる前は、アートでモードで複雑な香りが多いのかな?と身構えていたのですが、さっぱりとフレッシュで日本人が好みそうな香りが多いな!と思いました。
でもシンプルではないので、
重ね付けには向かなさそうと思います。それくらい複雑。

そして面白いのが、着ける人を選ばなさそうな香りが多いです。
身に纏えば誰でもお洒落になりそうな、そんな可能性を感じました。
ぜひ試してみてくださいー!